音楽

音楽業界における女性差別(ビョーク)

http://nme-jp.com/news/31335/ ビョーク、音楽業界における女性差別についての長文のテキストを公開。全文訳を掲載 *確かに。

ボブ・ディランと村上春樹

モンクがピアノを弾く手を休めたとき、ディランは何気なく「僕は道端でフォークソングを演奏しています」と言った。モンクは間髪を容れずに言った。「我々はみんなフォークソングを演奏している」と(村上春樹(編・訳)『セロニアス・モンクのいた風景』新…

椎名林檎の五輪向け選曲

【リオ五輪】椎名林檎が五輪の舞台であえて使った「あの曲」その意図は https://www.buzzfeed.com/tatsunoritokushige/ringoegg?utm_content=buffer9648e&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer&utm_term=.bf1ZmK6qE#.kxBoEkyGj 「…

「世界に一つだけの花」と競争社会

現代日本の「孤独な競争社会」―明治30年代からの修養的立身出世主義(「慰めの哲学」)と、1980年代からの自己実現的立身出世主義(個性に即した自己実現)との合流―を考えさせるために、授業でSMAPの楽曲「世界にひとつだけの花」(2003年)を流しました。…

アイドル受験戦記

http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/CATP201695754.html 菅なな子著『アイドル受験戦記 SKE48をやめた私が数学0点から偏差値69の国立大学に入るまで』 電子書籍版を発売!『グラビア付無料試読版』も同時配信! *HKT48の曲「アインシュタ…

椎名林檎と「イーヴンな関係」

何よりもあなたに逢って触れたいの 全て味わって確かめて イーヴンな関係に成りたい 変わりゆくあたしの温度を許して もし我が儘が過ぎて居ても 黙って置いていったりしないでね(椎名林檎作詞作曲「カプチーノ」) *デビュー当時には、「ちっぽけで汚らし…

「神聖かまってちゃん」の精神病理

だからこそ(熊田註;「生配信」は、リアルな承認に近い効果を与えてくれるから)と言うべきか、かまってちゃんがカルト的な人気を博し、ライブのチケットが即日完売するほどになって以降も、彼らは生配信をやめていない。これが果たして「中毒」なのか「自…

「欠落人間」だった椎名林檎

久しぶりに椎名林檎のデビュー・アルバム『無罪モラトリアム』を聴いてみたら、彼女はスリーヴで自分のことを「欠落人間」と称していました。精神分析家・バリントがいうように、「基底欠損」(Basic Fault、精神医学でいう境界例と重なることが多い)の治療…

椎名林檎の一女性ファンの意見

「BPD」境界性パーソナリティ障害は、現代に気付いていない人も含めればかなりの人数がいると思います。 私は椎名林檎がとても好きで、歌詞や世界観がとても魅力的な女性だと思いました。同時に、生きるか、死ぬか、自殺をにおわす表現などが強くでていて、…

レベッカ紅白出場

今年の紅白にレベッカが出演するそうです。毎年、ジェンダー論の授業で『フレンズ』を聴かせて解説している身としては、嬉しいです。 レベッカ「フレンズ」ー「位相萌え」の世界と若者 http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20120228/p1

シダー・ウォルトン

村上春樹氏の音楽評論には、学ぶこともあれば、違うな、と思うこともありますが、ジャズ・ピアニストのシダー・ウォルトンについては、教わったな、と思います。村上さんの紹介を読まなければ、このあまり有名ではないピアニストを聴くことはなかったでしょ…

ジャニーズからももクロへ

小学校の時、知り合いにとにかくジャニーズが好きな女の子がいた。ジャニーズと言っても(ママ)特定のアイドルグループの誰かがとくに好き、というわけではなく、順位の違いはあるもののそのグループ全体が好きで、休日があけるごとにジャニーズの出ていた…

「歌舞伎町の女王」と心理的葛藤

「近代において母娘関係が抱えがちな心理的葛藤をデフォルメした曲」として、椎名林檎の「歌舞伎町の女王」を授業で聴かせて感想を訊いたら、宗教文化学科の学生は好き嫌いがほぼ半々だったのに対して、心理学科の女子学生は、ほぼ全員が「好き」でした。私…

「ありあまる富」と生命主義

聴き返してみて思ったのですが、椎名林檎の名曲(だと私は思う)「ありあまる富」(2009)は、生命主義的救済観(「いのち」の尊さ)と現世離脱的宗教性(金銭的富のような世俗的成功の空しさ)とを合体させた曲ではないでしょうか。「生命主義的救済観はも…

セロニアス・モンク

今日は、セロニアス・モンクの音楽を聴いて過ごしました。

グルとしてのセロニアス・モンク

(前略)インドでしばらく生活したことのあるソニー(熊田註;ソニー・ロリンズ)は、彼(熊田註;セロニアス・モンク)を「グル」と呼んだ。そしてこの呼び名の方がおそらく、「教師」よりは意味あいが正確だろう。というのは、彼は指導者(インストラクタ…

電化マイルズ

久しぶりに、マイルズ・ディビスの“Agharta”“Pangaea”を聴き通しました。芸術作品として優れているのはわかるけれど、やっぱりイージー・リスニングには適しません。私が「電化マイルズ」で愛聴するのは、“In a Silent Way”です。

チャーリー・パーカー

今日は定休日で、チャーリー・パーカーのCD10枚セットを聴きました。録音状態もよく、10枚で1300円はお買い得。

なぜ紅白は、演歌歌手の後ろにアイドルをはべらせるのか

http://bylines.news.yahoo.co.jp/takedasatetsu/20140101-00031199/ より転載 なぜ紅白は、演歌歌手の後ろにアイドルをはべらせるのか 31日のNHK紅白歌合戦を総括するためには、綾瀬はるかの危なっかしい司会、「あまちゃん」の157話、大島優子のAKB48引退…

村上春樹とウィントン・マルサリス

ウィントンにはこれから、自らの本質的(潜在的)退屈さを乗り越えていくことができるだろうか?もちろんそんなことは僕にはわからない。当たり前のことだが、そのためにはウィントン・マルサリス自身がまずその問題を深く自覚し、突破口を見つけ、自分の力…

村上春樹のウディー・ガスリー論

(前略)しかしガスリーが一貫して持ち続けた、虐げられた人々のための社会的公正=social justiceを獲得しようとする意志は、そしてそれを支えたナイーブなまでの理想主義は、多くの志あるミュージシャンによって継承され、今日でもまだ頑固に―意外なほどと…

菊地成孔のコンサート

今日は、夜、婚約者と菊地成孔のコンサートを聴きに行きました。

セロニアス・モンクの音楽と「孤独」

私の好きなセロニアス・モンクの音楽について、村上春樹氏が著書『ポートレイト・イン・ジャズ』において「寂しいけれど、悪くない」と評しているのは、賛成です。しかし、連想させる文学としてバタイユやフォークナーの小説を挙げていることには、首をかし…

村上春樹とキース・ジャレット

退屈さに耐えて、村上春樹の最新作を読了。流行を一通りチェックするのは、社会学者にとっては仕事のうちです。村上春樹は、ジャズ評論でキース・ジャレットの「胡散臭さ」を批判しています。『ポートレイト・イン・ジャズ』では、キースは取り上げることす…

村上春樹氏のジャズ評論

私は村上春樹氏の文学を全否定まではしません。デビュー当時、「風の歌を聴け」には感心して、当時のガールフレンドと映画まで見に行ったものです。ましてや、私は村上春樹氏のジャズ評論は全否定しません。セロニアス・モンクを「謎の男」と評したり、ウィ…

ももクロとプログレ

ももクロの音楽は何か耳の記憶を呼び覚ますと思っていましたが、10代の頃聴いていたプログレですね。プログレを聴いて育った人たちが作詞・作曲しているのではないでしょうか。Pink Floydの“The Wall”とももクロの『ワニとシャンプー』は、一見まるで違うよ…

村上春樹の音楽論

(前略)しかし、真に優れた音楽とは(少なくとも僕にとっては、ということだけれど)、詰まるところ、死の具現なのだ。そして、その暗黒への落下を、僕らにとって耐えやすいものにしてくれるのは、多くの場合、悪の果実から絞り出される濃密な毒なのである…

きゃりーの「リブ魂」

先週の日曜日、TV番組『情熱大陸』で「きゃりーぱみゅぱみゅ」を特集していました。番組のラストで、ヨーロッパ公演中のきゃりーがベルギーの雑貨屋で選んで身につけたグッズは、「魔女のお面」でした。おそらくきゃりーはヨーロッパの魔女カルチャーとフェ…

村上春樹とスタン・ゲッツ

スタン・ゲッツのアルバム『アット・ストーリーヴィル1&2』を聴き直しました。村上春樹が『ポートレイト・イン・ジャズ』(文春文庫、2004年)で一押しにしていたアルバムです。私は村上春樹のジャズ評論は、彼の小説よりも信用しています。しかし、これが歴…

きゃりーを踊る人たちinパリ

「PONPONPON」 http://www.youtube.com/watch?v=5opOCbT4aoU「コンサート前のベルギーっ子たち」 http://www.youtube.com/watch?v=LtGTQBav0GQ これのどこが「非リア充」なのでしょうか?