村上春樹とキース・ジャレット

 退屈さに耐えて、村上春樹の最新作を読了。流行を一通りチェックするのは、社会学者にとっては仕事のうちです。村上春樹は、ジャズ評論でキース・ジャレットの「胡散臭さ」を批判しています。『ポートレイト・イン・ジャズ』では、キースは取り上げることすらされていません。しかし、これはキースの音楽に対するかなり極端な態度です。思うに、村上春樹キース・ジャレット嫌いは、一種の近親憎悪なのではないでしょうか?それを言うなら、村上春樹の「文学」だって充分に「大衆迎合的」にして「胡散臭い」と思います。