2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

フワフワなもの

パーソナリティ障害の患者さんの部屋はしばしば、フワフワなものであふれています。ベッドやソファーには、やわらかい肌触りのぬいぐるみをたくさん並べ、ふとんやクッションはフワフワした材質の布でくるむといった具合です。 温かく包んでくれるこれらのも…

人の為と書いて偽りと読む

AC

「人の為と書いて偽りと読む」ー新宗教の世界にはいろいろな傑作コピーがありますが、私が聞いた中では、これは一、二を争う傑作です。共依存ー愛情という名の支配ーをこれほど簡潔に表現したコピーは他に聞いたことがありません。

助けて下さい…子供性被害の現場から

http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/131003/evt13100313100012-n1.html ジュニアアイドルが受けた性的被害 親の借金「やめられなかった」 http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/131004/evt13100410440009-n1.html 性風俗がセーフティーネットに…“帰れ…

「何が原因か」より「どう直すか」が重要

病気の原因のほとんどは、過去にあります。ですから原因を突きとめたところで、時間を巻き戻して、もう一度やり直すわけにはいきません。親を責めるなど、かえって苦しみを増すような言動に向かう可能性もあります。 原因は、知識として心にとどめる程度にし…

冬休み

今日から冬休みに入りました。

BPD患者と母親

「お母さんはわたしを愛してくれなかった」と言うけれど・・・・・・ 《お母さんも「お母さんの道の上」ではあなたのことを愛していたはずです》 「親に愛されていない」と訴える患者さんが多いですが、親に話を聞くと、客観的には愛情がなかったとはいえないケー…

支配したい母ー独占したい子

「苦労」を強調することによって、子どもを「支配」しようとする母親と、(「無関心な父」および)自分の「独占欲」の強さゆえに、そういう母親から精神的に「親離れ」して自立できない子ども、というのは、今でも日本社会でよく見かけるねじれた母子関係で…

時事報道番組

日曜日はテレビで時事報道番組を視ます。

境界性パーソナリティ障害への周囲の対応

パーソナリティとは、「外界(周囲)に対する反応のしかた」です。患者さん自身ももちろんつらいのですが、周囲もたいへんつらい思いをします。 患者さんに頼られれば、誰でも、最初は「助けてあげたい」と思うもの。しかし、急に手のひらを返したように暴言…

BPD/ジェンダー/性的逸脱

性的逸脱は女性に多いものの、男性にも見られます。ただ、その心理的背景はかなり異なっています。 男性の場合、根底にあるのは、自分の権力を示したいという支配欲です。女性を肉体的に支配して、自分の優位性を感じて満足します。こうした支配欲が高じると…

アダルトチルドレンという言葉の功罪

アダルトチルドレンという言葉の社会的ブームは、とっくに終わっていますが、この言葉は消えたわけではなく、日本社会に確実にある程度定着していると思います。一見学問的心理学の概念のようだが、通俗心理学の概念であり、さらに、ACの「回復」運動は実は…

出校

今日は、注文していた本を受け取りに夕方出校しました。

境界性パーソナリティ障害の広がり

(前略)前述の社会学者ラッシュは、この流れ(熊田註;カフカの再評価やサルトルらの実存主義の小説の人気)の中でエドワード・オルビー、サミュエル・ベケット、ジャン・ジュネなどの当時の演劇界の前衛作家たちの取り上げた空虚感、孤立、寂しさ、絶望は…

現代精神医学の問題点

島薗 医学の領域では、精神医学のあり方が考える材料になると思います。私も医学へと進んでいればやりたかった分野ですが、精神医学ではこの40年ほどの間に、エビデンスの出るものを研究する方向へどんどん進んできて、薬物療法とか認知行動療法といって、要…

精神療法の陥穽

(前略)「精神療法はなぜ面白いか、それは人間を変えるということが面白いからである」「治療にロマンを求める」という表現で語られるものは、個人的威信の向上よりもさらに患者を手段とする行為である。サリヴァンは「よい精神科医とは日々の糧を得るため…

統合失調症の陥穽

(前略)現在は、少なくとも、うっかり患者の自己破壊性を引きだして、しかもその自己破壊性に幻惑されないようにしたい。(中略)さらにわれわれは、みずからに潜む自己の地上性(この世性)を超脱したいという感情を患者に重ね合わせていないだろうか。か…

カウンセリングの陥穽

(前略)実際には、多くの場合、有害な事態を回避するためには、患者に拒絶の権利があることを告げるだけでじゅうぶんであり、さらに、有害な場合は自然にやらなく(やれなく)なることも少なくない。私が絵画を使う理由はさまざまあるが、その一つに、有害…

統合失調症の予防

私の臨床体験がある程度一般化しうるならば、それは精神健康的含蓄をもちうるだろう。「無理の時期」と「焦慮の時期」のあと、不眠が二日以上つづき、多くのことが「逆さま」となり、「頭の中がさわがしく」なれば、それに相応する治療施設を訪れること、と…

こわがることはない、暗いのはお母さんだからね

おそらく、この時期(熊田註;急性統合失調症状態)における精神療法は、シュビィングの行ったように、治療者の身体性を、空無化した病者の身体の傍らにそっと並べることから始める必要があるだろう。その理由のすべてではないにしても、少なくともその一つ…

統合失調症の治療と「母性」

急性統合失調症状態を無理に「理解」しようとする必要はない。折れ合おうとする必要はない。できないことを無理にすると徒労で有害なだけだ。しかし人間は理解できないものでも包容することはできる。それは広い意味での「母性」である。筆者は男性だが、統…

天皇制と民主と平和

今日は天皇誕生日です。平成天皇は、人間的にはとても好きな人物です。「民主と平和の象徴」に徹しているところがいいです。象徴天皇制のなかの「新渡戸稲造的なもの/クウェーカー的なもの」には、大いに期待しています。

「神聖かまってちゃん」の精神病理

だからこそ(熊田註;「生配信」は、リアルな承認に近い効果を与えてくれるから)と言うべきか、かまってちゃんがカルト的な人気を博し、ライブのチケットが即日完売するほどになって以降も、彼らは生配信をやめていない。これが果たして「中毒」なのか「自…

授業の楽しみ

授業の開放講座の社会人学生に「先生、ありがとうございました」と言われたり、学生にレポートで「先生のアドヴァイスのおかげでたすかりました」と言われたりすると、お世辞半分とわかっていても、やはり嬉しいものです。大学教員生活のストレスが吹っ飛び…

定休日

火曜日は定休日です。

授業日

今日は授業日で、3コマ教えました。今年度の授業は、これで終了。

境界例は拘束を嫌う

おそらく、「この患者は自分がなおそう」と思うのが、一種の医者のヒュブリス(ごうまん)なのであろう。患者は、多くの治療者を遍歴し、そのうちになおっていくことがしばしばある(滝川一廣の指摘)。人体経過を数多く経て細菌が弱毒化するようなものであ…

時事報道番組

日曜日はテレビで時事報道番組を視ます。

男の育児は「レジャー」?

<子育て>男の育児は「レジャー」? 増えない「世話」 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151219-00000010-mai-bus_all *「忠臣蔵→プロジェクトX」的男性性、「皇軍兵士→企業戦士」的男性性という「覇権的男性性」(主導的な男らしさ)が変わるまでは、…

卒論の採点

卒論主査分の採点を終了しました。

ヘルパー・セラピー原則

現代の各種自助グループには、「ヘルパー・セラピー原則」という言葉があるそうです。この原則は、簡単にいうと、「援助をする人がもっとも援助をうける」という意味だそうです。 近代の新宗教でいう「人を助けたら我が身助かる」という教えの現代版ですね。