2020-01-01から1年間の記事一覧

押井守とひきこもり

自分ではない誰か。目の前にいて自分を見つめてくれる誰か。自分がいなくなってもその場に在りつづけ、自分と同じように世界を眺め語り死んでいくであろうそんな<他人>を信じることは、きっとそのまま私たちの生きる世界を信じることであり、それが唯一の…

関根豊松氏と<粋>の伝統

天理教愛町分教会初代会長・関根豊松氏は、日本舞踊を介して、日本文化の<粋>の 伝統を体現していたように思われます。ファツションについても、贅沢はしなかった が、独自のこだわりがあったようです。 会長様は粋なお好みでしたからお召し物のお仕立てに…

愛町分教会の行儀作法としつけ

柏木 ところで、関根先生は踊りが上手だったが、いつ頃習われたのかな? 関根 こんな話を聞いているのですよ。麹町二代会長の久保清次郎先生が非常に酒好きで、夜の二時、三時までも飲んでおられて、その相手でよく踊られたということを…。 森井 名取りまで…

日本宗教における神話的暴力と神的暴力

(前略)あらゆる領域で、神話に対して神が対立するように、神話的暴力に対しては、神的暴力が対立する。しかも、神的暴力と神話的暴力の対立は、あらゆる点で対置関係によって特徴づけられる。神話的暴力が法措定的的であるとすれば、神的暴力は法を壊滅する…

天理教とポジティヴ・シンキング

天理教の「教団内教団」の趣のある愛町分教会では、天理教の信仰と後世のポジティヴ・シンキングが習合しているようです。 ところで、神様から与えられた、この神秘的な『潜在意識』は、お道のお助けに於いても活用し得る。 無限大の創造的パワーを秘めた『…

天理教の男性カリスマの薄化粧をめぐって

愛知学院大学人間文化研究所所報46号原稿(2020年9月刊行予定) <題名>「天理教の男性カリスマの薄化粧をめぐって」 <著者>熊田一雄(宗教文化学科准教授) この小論では、天理教史上有数の大カリスマであった男性、関根豊松(1881-1969)が薄化粧してい…

三島事件と「美味しんぼ」民族統一戦線(大学の講義ノートから)

<補足>三島事件と「美味しんぼ」民族統一戦線 1.三島由紀夫vs.東大全共闘/「美と共同体」論争 ・全共闘運動/ベトナム戦争/反米・反安保改正運動/全国の大学に学生運動の嵐/新左翼運動 ・三島由紀夫と全共闘運動/極右vs.極左/しかし「暴力肯定」という一点…

三島由紀夫論(大学の講義ノートから)

*1980年代以降、グローバル化の加速度的進展の中で、「民族」の心の拠り所を求める穏健な動きが世界的にある/その一部が、急進的政治運動に転化する/それを西欧のマスメディアが差別的なニュアンスを込めて「ファンダメンタリズム」と呼んでいる *グローバ…

コロナで中止された国際宗教史学会の発表要旨

<Abstract> <Title> The Founder of Tenrikyo and Violence In the studies of Japanese new religions, researchers avoided treating the complex relationship between religion and violence. The Founder of Tenrikyo, Nakayama Miki (1798-1887), in her old age, often</title></abstract>…

高橋留美子の漫画における男性像

愛知学院大学人間文化研究所紀要36号原稿(2021年9月刊行) <著者>熊田一雄(宗教文化学科) <題名>高橋留美子の漫画における男性像 <要旨> この論文の目的は、高橋留美子の漫画と高橋留美子に対するインタビュー記事を資料として、高橋留美子の漫画に…

The Foundress of Tenrikyo and Violence

TITLE The Foundress of Tenrikyo and Violence AUTHOR Kazuo KUMATA (Department of Religious Culture, Faculty of Letters, Aichi Gakuin University, Japan) Summary Tenrikyo is one of the oldest and highly regarded of the Japanese new religions,…