2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

DVと個的領域ー<絆>と<舫>

2月25日のNHK番組「クローズアップ現代」で、デートDV(恋人からの身体的・精神的暴力)を特集していました。内閣府の調査によれば、女性の約5分の1、男性の約10分の1が経験していると紹介され、「現代日本の若者は、人間関係が希薄化していく中で、愛と束縛…

「フーテンの寅さん」またはマザコンおやじ

ウーマン・リブの田中美津は、近代日本のジェンダー秩序を「女は男に媚び、男は社会に媚びる」と喝破した。佐藤忠男の「忠臣蔵―意地の系譜」は、そのうち「男は社会に媚びる」メカニズムを分析した名著である。しかし、その佐藤ですら、女性学の成果は経由し…

百合の音楽ーレベッカ「フレンズ」

日本の1980年代を代表するロック・バンドのひとつであるREBECCAの名曲「フレンズ」(1985年)の歌詞を引用します。ドラマの主題歌などによくカバーされているので、殆どの人が耳にしたことがあるはずです。 あなたが「男性」であり、この曲をいい歌だと感じ…

天理教と出産

天理教おやさと研究所の金子珠理さんは、論文「『女は台』再考」(1995)で、天理教の保守教学で「産み育てること」が女性の徳分とされていることに対して、「産むこと」と「育てること」を分離し、前者だけを女性の徳分とすることを主張なさっています。し…

自助グループと宗教界

信田さよ子さんの「カウンセリングで何ができるか」(大月書店、2007年)に、次のような指摘があります。 AA(熊田註;アルクホーリクス・アノニマス、アメリカ生まれの断酒のための自助グループ)のミーティングの特徴は、「言いっぱなし、聞きっぱなし」に…

佐藤忠男と職人的男性性

関川夏央の「おじさんはなぜ時代小説が好きか」(岩波書店、2006年)に、次のような指摘があります。 藤沢修平の武家ものにはサラリーマン社会のにおいがあるといいました。長谷川伸の世界の住人は、技術を頼りに仕事先を流れ歩く孤独な職人たちのようでした…

自助グループと宗教界

信田さよ子さんの「カウンセリングで何ができるか」(大月書店、2007年)に、次のような指摘があります。 AA(熊田註;アルクホーリクス・アノニマス、アメリカ生まれの断酒のための自助グループ)のミーティングの特徴は、「言いっぱなし、聞きっぱなし」に…

神道政治連盟の動き

日本で最も大きな社会的影響力をもつ「宗教右派」神道政治連盟が、福井市焚書事件(福井市の生涯学習センターが、女性学関連の本を150冊ほど撤去した事件)を評価しています。神道的伝統が、バックラッシュになる必然性はないのですが・・・(拙著「男らしさ…

オトメン(乙男)について

「花とゆめ」に2006年から連載されている菅野文の少女マンガ「オトメン(乙男)」(単行本は花とゆめCOMICSから、2007年より現在4巻まで刊行中)が人気を博しています。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%88%E3%83%A1%E3%83%B3おとーめん=乙女…

自傷系サイトの危険性

この前、ある精神科医の方にネット自殺関連のことで話を聞いた。その中で興味深かったのは、自殺系サイトや自傷系サイトの中で集団ができると余計なライバリティ(自分の方がもっと辛い、もっと病んでいる、というような)が生まれてしまい、その中で負のエ…