現代宗教とゆとり

現代の日本人の宗教生活を考える上で、「ゆとり(余裕)」はとても大切な概念なのに、学術的研究はない。「世の中には、善人と悪人がいるのではなく、ゆとりのある人とゆとりのない人がいるのである」(精神科医の故・中井久夫氏)。狭い意味での宗教心は、広い意味での心のゆとりの存在を前提とするものであろう。今年度は、「現代宗教とゆとり」の関係を、「美とユーモア」に焦点をあて、最初期の都市型新宗教・大本を中心に実証社会学の手法で研究する。