2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

太宰治と女性の侠気

太宰の「人間失格」の中に女の義侠心に触れた箇所があります。「自分の経験によると、少なくとも都会の男女の場合、男よりも女のほうが、その、義侠心というべきものをたっぷりと持っていました。男はたいてい、おっかなびっくりで、おていさいばかり飾り、…

茶道人口減少の原因

https://note.com/sototakei/n/nd27030020275 より転載 本記事は「茶道人口減少の原因について」の第三章です。 ではいよいよ本題に入りたいと思う。 ここでは私が流派内外で得てきた個人的経験や知識に基づいて書く。3つの原因とは、「免状の価値の凋落」、…

「手を触れる」ことの治療的意味

toyokeizai.net 川嶋:日本語の「触れる」という言葉には、直接触れるというだけでなく、心に触れるという意味もあります。心をこめた手で触られれば、相手は共感されている、支えられている、励まされていると感じ、苦痛や緊張が緩和され、心拍数や血圧が下…

現代宗教とゆとり

現代の日本人の宗教生活を考える上で、「ゆとり(余裕)」はとても大切な概念なのに、学術的研究はない。「世の中には、善人と悪人がいるのではなく、ゆとりのある人とゆとりのない人がいるのである」(精神科医の故・中井久夫氏)。狭い意味での宗教心は、…

藤井風の人気とタイ上座仏教

藤井風の「死ぬのがいいわ」の世界的人気は、日本でも欧米でもなく、上座仏教の国タイから火がつきました。藤井風の「ハイヤーセルフ(自分の中の理想の自分)」の観念と上座仏教の「仏性」観が共鳴現象を起こしたのでしょう。

宗教と世俗、そして想像力の慣用語

前のジョージ・サンタヤナについていえば、彼は全能の神の存在を信じていません。不信心者ですから、分類すれば無神論になりますが、それにもかかわらず神という考えは、彼の中に生きているんです。彼にいわせれば、“idioms of imagination”(想像力の慣用語…