宗教と世俗、そして想像力の慣用語

前のジョージ・サンタヤナについていえば、彼は全能の神の存在を信じていません。不信心者ですから、分類すれば無神論になりますが、それにもかかわらず神という考えは、彼の中に生きているんです。彼にいわせれば、“idioms of imagination”(想像力の慣用語)というものをそれぞれの宗教は持っている。生まれてからずっと言葉の行き交いや仕草と共に育つと、《想像力の慣用語》が育まれる。それを通してものを考える方が、考える翼が伸びていくんですね(鶴見俊輔『かくれ佛教』ダイヤモンド社、2010年、p208)。

 

*この「想像力の慣用語」という概念は、「宗教VS世俗」という二分法を脱構築する上で有効だと思います。