三島事件と「美味しんぼ」民族統一戦線(大学の講義ノートから)

<補足>三島事件と「美味しんぼ」民族統一戦線

1.三島由紀夫vs.東大全共闘/「美と共同体」論争

全共闘運動/ベトナム戦争/反米・反安保改正運動/全国の大学に学生運動の嵐/新左翼運動

三島由紀夫全共闘運動/極右vs.極左/しかし「暴力肯定」という一点では一致

・「美と共同体」論争/日本人の美意識にとって天皇制は必要か否か?

・マンガ=アニメ「美味しんぼ」/1990年代に大ブーム/原作者は東大全共闘出身者/「美と共同体」論争の延長線上/「三島、日本人は天皇制なしでも団結できるんだぞ!」

・貴い生まれのサラリーマン(折口=三島「貴種流離譚」/三島が日本の文学の必須要素として強調していた/軽薄な欧米崇拝・醜悪な成金趣味・日本の伝統文化の破壊をもくろむ(?)「米国帝国主義」に制裁/大衆消費社会に「究極のメニュー」という秩序を確立

三島由紀夫「美としての天皇制」/和歌を詠む象徴天皇/「日本語」による民族の団結

・東大全共闘美味しんぼ」/海原雄山=左翼版「美しい天皇」/共通の「味覚」による民族の団結

・毎回「国だ、文化だ、伝統だ」と言いながら、「天皇制」と「自衛隊」には触れない

・しかし、日本人なら「共通の」味覚をもつのか?/「味覚」も変化するのではないか?

・「美味しんぼ」民族統一戦線/いまはもうブームは去った/「味覚」よりも「日本語」のほうが、民族的アイデンティティの基盤として強力/三島由紀夫の「美としての天皇制」は、依然として日本人にとって宿題となっていると思う

 

2.三島由紀夫の男性中心主義

・三島自身は、ゲイだった(公言していた)/強力なマチズモ(男らしさ偏重)

・「男であれ!」/三島事件の強力な男性中心主義/女性自衛官など、視野にもいれていない

男女共同参画社会となった現代では、三島のマチズモは通用しないだろう

 

吉崎観音のマンガ=アニメ「ケロロ軍曹」/「地球侵略者」という「異端」を笑いのめす →間接的に、「地球上の軍人」という「正統」を笑いのめしている/したたかな平和主義

・「ケロロ軍曹」(海外でもヒットしている)を見て育った子どもたちは、大人になっても「軍人はかっこいい」とは思わないだろう/三島由紀夫の議論の基盤を揺さぶっている