セロニアス・モンクの音楽と「孤独」

 私の好きなセロニアス・モンクの音楽について、村上春樹氏が著書『ポートレイト・イン・ジャズ』において「寂しいけれど、悪くない」と評しているのは、賛成です。しかし、連想させる文学としてバタイユやフォークナーの小説を挙げていることには、首をかしげてしまいます。私が連想するのは、「ムーミン」に登場するスナフキンの音楽です。「モンクは、教師というより、ヒンドゥー教のグルのような人だった」というソニー・ロリンズの証言も、私の見方を裏付けているように思います。村上春樹氏は、本当は根暗なのでしょう。モンクの音楽に見られる孤独は、明るいと思います。