村上春樹とスタン・ゲッツ
スタン・ゲッツのアルバム『アット・ストーリーヴィル1&2』を聴き直しました。村上春樹が『ポートレイト・イン・ジャズ』(文春文庫、2004年)で一押しにしていたアルバムです。私は村上春樹のジャズ評論は、彼の小説よりも信用しています。しかし、これが歴史的名盤の1枚であることはわかるのですが、私には愛聴するほどのアルバムだとは思えません。やはり、音楽の趣味も違います。
ちなみに、村上春樹は、「キース・ジャレットの音楽の胡散臭さ」(『意味がなければスイングはない』文春文庫、2008年、p198)を批判します。確かに、私も「キースはジャズなのか?」と思うことはありますが、ヒーリング・ピアノだと思えばよく出来ていると思います。それを言えば、村上春樹の「文学」だって十分「胡散臭い」と思います。