宗教

スピリチュアリティ学派

結局、私と、一時期日本の宗教社会学で流行った「スピリチュアリティ学派」との違いは、後者がアメリカ・イギリス社会の病理にアメリカ・イギリス流に対応しようとしているのに対して、私は、アメリカ・イギリス社会の進み方自体を「反面教師」と見ているこ…

三島由紀夫と生長の家

三島由紀夫を観る〔28〕 三島由紀夫が、宗教法人「生長の家」の谷口雅春著「占領憲法下の日本」に序文を書いているということである。この本は手にしていないので以下は、ネットで見つけた序文である。 http://blog.livedoor.jp/dorci/archives/52011799.h…

依存症からの回復とユーモア

―吾妻さんはマンガ家やってたから依存症になっちゃったけど、マンガ家やってたから戻ったというところがありますよね。 吾妻 うーん、それはあるかもしれないですね。「この体験を描かずにすむものか!」とは考えましたよ。こんな面白いことはみなさんに伝え…

稲田朋美・「生長の家」・日本会議

稲田氏が防衛相とは、中国人・韓国人でなくても不安になります。 稲田朋美と、「生長の家」『生命の実相』(禁書版) http://togetter.com/li/879465 「戦争は人間の霊魂進化にとって最高の宗教的行事」 谷口雅春と稲田朋美と日本会議 http://be-here-now.co…

薬物療法と精神療法

しかし、残念ながら、薬物療法だけでは心の病気を完全に治すことはできません。脳内の神経伝達物質の働きを調整することで、一定の効果は期待できますが、それはある意味で「対症療法」的な効果でしかありません。また、心の病気では、患者さんの物の考え方…

日本会議と生長の家原理主義者

研究費で注文していた、話題の菅野完『日本会議の研究』(扶桑社新書、2016年)がようやく届いて、即日読了しました。「生長の家原理主義者」たちが日本会議を仕切っているとのことです。宗教研究者としては、生長の家の研究をもっと押し進める必要を感じま…

酒に見放される

最近、動悸・息切れがします。おそらく、アルコール性心筋症です。原因であるアルコールを絶てば、簡単に治ります。中井久夫さんが、「酒に見放される」ことについて書いていましたが、どうやら私も酒に見放されたようです。命が惜しいので、断酒します。

人間の精神衛生維持活動

人間の精神衛生維持活動は、意外に平凡かつ単純であって、男女によって順位こそ異なるが、雑談、買物、酒、タバコが四大ストレス解消法である。しかし、それでよい。何でも話せる友人が一人いるかいないかが、実際上、精神病発病時においてその人の予後を決…

DVとパニック障害

まず第一に問題になるのが夫婦の問題です。これは当事者がストレスと意識していないケースがしばしばあります。妻が夫に気づかれないうちに、精神的に束縛されてしまっているケースです。パニック障害になう人は、元来やさしく、自分の気持ちに反しても相手…

パニック障害と人間性回復としての離婚

「病気はよくなったが患者は離婚した」というと、一見、治療がまずいのではないかと思われる恐れがあります。しかし、表面的にどう見えようと、自己に目覚めさせる、自分の人生の価値を高めさせる、これが精神医学の究極の治療目標だと考えればよいかなと思…

「訊く」より「聞く」

「訊く」より「聞く」。 本人の話に耳を傾けて 「なぜ、リストカットをするのか」と問いただしても、本人には答えることができません。本人がその理由を考え、言葉にできるようになるまで、周囲の人は本人の言葉に耳を傾けましょう。 話すことも聞くことも最…

安丸良夫の「通俗道徳」と初期天理教

ここで江戸中期以後の日本農村が、宗教的、儒学的、通俗道徳的、修養鍛錬的、実学的な諸知識と同時代の情報とに関してかなりの飽和度を示すことを思い合わそう。とくに、西日本においては貨幣経済に適合した換金作物をも栽培する富農あるいは半農半商の豪家…

心理治療と傲慢

(前略)心理療法者に通じるものとして挙げられるのは、何と虚無僧であり、辻音楽師である。逆に治療者がもっとも戒めるべきことは、傲慢(ヒュブリス)である。「まず害するなかれ」が、すべての治療と同じく、心理治療の基本であるのに、治療者の傲慢がい…

身体化という防衛機制

(前略)西欧人が腹部には特に注意を向けないのを教わったのはこの本(熊田註;大貫恵美子『日本人の病気観ー象徴人類学的考察』)で、本が出てから土居健郎先生とお会いしたときに話題にすると、さすが即座に「彼等は身体は精神に比べて悪魔に近いと観念し…

病気と治療の政治学

これが仮病ではなく心身症、つまりからだが悶え叫んでいるのはおわかりかと思います。医者のなかにはこれを「疾病利得」といって毛嫌いする人もいますが、「疾病利得と正面からたたかって勝ち目はない」と断言しよいと思います。 「せっかく(原文は強調)病…

拒食症の「治療」論争と中島みゆき

かつて、拒食症は、「女になるための病」だといわれたことがありました。「成熟拒否」、「男子羨望」という言葉も用いられていました。(中略)このため、拒食症が「治る」ということは、いったん拒絶された「女性性」を肯定することであり、それゆえにその…

ダメでもともと医学

こんなことは別に二重盲検して調べることではありません。私は、「証拠にもとづいた医学(EBM)」とともに、「ダメでもともと医学」というものがあってもいいと思うんですよ。「ダメもと医学」ですな。英語でどう言うのかわかりませんけれど、とにかくお金が…

人助けたら我が身たすかる

確か雑誌『すきっと』で、天理教信者でもある阪大医学部教授が、「ちょっと体調がすぐれないときには、人助けしてみなさい」とアドヴァイスしていました。医学的にも、一理ある意見だと思います。少なくとも、薬の副作用を含め、害はないでしょう。 「不安障…

生きるリアリティ

別にそういったボランティアに限らなくてもいいですけれども、実際に自分が役に立つようなことならばやりたいと思っている青年と、リストカットをする、あるいは無差別殺人をする青年というものは、同じものを求めているわけです。つまり、それは生きること…

ミニトラウマの処理方法

古式カタルシス「護摩たき療法」 護摩たきとは、煩悩をあらわす護摩木を焼くことで、心の迷いを焼き尽くすことです。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の人は、まず、心的外傷(トラウマ)となったできごとを、できるだけくわしく紙に書き出します。この作業は…

心直しということ

天理教では、日々の生活のなかで、放っておくと心に積もっていく「八つのほこり」(おしい・ほしい・にくい・かわいい・うらみ・はらだち・よく・こうまん)を払う心直しの教えを信仰の基本としています。女性教祖の中山みき(1798-1887)は、信者に「おやさ…

天理教教祖のみりん好きについて

初期新宗教である天理教の女性教祖・中山みき(1798-1887)は、みりんが好物だったようです。「逸話篇」によく、「野菜を少々とみりんを召し上がった」とあります。みりんに関しては、お好みの店もあり、買いに行かせていたようです。思うに、甘い物好きで、…

非定型うつ病の信仰治療についてー禅宗の事例からー

ここ一週間、一日三時間瞑想して、昨夜ようやく第三の目が開眼しました。実を言うと、一週間前、“騙されたと思って一日中坐禅をしよう。それで三月になっても完治しなければ命を絶とう”と決心していたのです。先週は、過食、過眠、全身の重さで寝たきりにな…

死の実感の喪失

「死の実感の喪失は、自分の命は永遠であるという幻想をもたらす。その幻想の中で、人は死に対する激しい恐怖にとらわれる。かくいう私も、死ぬことが ずっと怖かった。考えはじめると、叫びたいほどだった。しかしタヒチで獣の死骸を日常的に目にするように…

治療者の変性意識状態

現代の精神療法はこのような個人的・偶発的な経験をなるべく廃し、一定の技法を用い、一定の効果を得られるような方向に向かいつつある。その結果、精神と精神の相互交流から生じるクライエントの精神への働きかけから離れて、クライエントの行動へ働きかけ…

にぎやかな死の看取り

私は在宅の看取りを指導しておりますので、死の迫った患者の家族には、出来るだけ病人の周りで笑い声を立てること、孫やひ孫がなついている場合にはその子たちをそばに来させるように勧めていますが、今まではいずれの例でも、看取りを終えた家族から感謝さ…

禅とマインドフルネス

http://www.chugainippoh.co.jp/rensai/shinsou/20151028-003.html どう受容するのか仏教界 マインドフルネス流行の兆し(3/5ページ) 2015年10月28日付 中外日報(深層ワイド) だが、心理療法としてのマインドフルネスは無宗教だが、それを入り口として禅…

マインドフルネスと禅

http://www.fuanclinic.com/blog/?p=181 マインドフルネス 「マインドフルネス」をご存じですか? 聞きなれない言葉ですね。正確にはマインドフルネスストレス低減法といって心理学的治療の一つです。今米国の多くの心理学教室にはマインドフルネスセンター…

花園大学の試みー座禅とカウンセリングー

http://www.pot.co.jp/oikenparis/%E5%9D%90%E7%A6%85%EF%BC%88%E3%81%96%E3%81%9C%E3%82%93%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%81%99%E3%81%99%E3%82%81.html 坐禅(ざぜん)のすすめ 〜自然治癒力で心身を癒す〜 大学でも坐禅の効能に目をつけたところがある。2006…

マインドフルネスと参禅会

少なくとも日本の場合、今からマインドフルネスの指導能力を持った認知行動療法の専門家を養成して増員していくよりも、禅僧に精神医学の基礎知識を身につけてもらい、参禅会を開いてもらうことのほうが、よほど国民のメンタルヘルスに役立つように思います。