DVとパニック障害
まず第一に問題になるのが夫婦の問題です。これは当事者がストレスと意識していないケースがしばしばあります。妻が夫に気づかれないうちに、精神的に束縛されてしまっているケースです。パニック障害になう人は、元来やさしく、自分の気持ちに反しても相手の意志に沿おうとする人が多いのです。パートナーが多少ともワンマンであると、主従の関係がどんどん先鋭化していきます。そして、ついに耐え切れない状態でパニック障害が発症するのです。
主になる人が発するのは、肉体的な暴力だけでなく言語的暴力もしばしばあります。
パニック障害になった子羊(妻)は、ひとたび発病して、パニック発作がおさまる時期になるとうつ症状が見られ、それにともない性格変化が出現します。それまでの従順で穏やかな性格が一八〇度逆転します。これにより、かわいそうな子羊(妻)は広い野原で自由気ままに飛びまわることができるようになります。まさにパニック障害は人間性回復=ルネッサンス病です。
また盆正月に悪化する患者さんがいます。これは、夫の故郷に帰り舅姑に会うことのストレスによるものです。今もなお嫁姑の問題は日本女性の重要な人生問題のひとつです(貝谷久宣『不安・恐怖症のこころ模様』講談社、2008年、p171)。
*なるほど。