生きるリアリティ

 別にそういったボランティアに限らなくてもいいですけれども、実際に自分が役に立つようなことならばやりたいと思っている青年と、リストカットをする、あるいは無差別殺人をする青年というものは、同じものを求めているわけです。つまり、それは生きることのリアリティを求めている。そこが大事だと思います。今の日本の若い人たちはいわば同じものを求めているわけですが、求め方が違っているのです。日本の若い人たちが自分の体を傷つける、あるいは人を傷つける、あるいは人を殺そうとする、そういうものとは違った仕方で、生きるリアリティを求める方法を見つけ出すことができれば、そこでもう一つ新しい時代が開けてくる可能性があるだろうと、そういうふうに思うわけです。終わります(見田宗介現代社会はどこに向かうか《生きるリアリティの崩壊と再生》』弦書房、2012年、p48)。


*学問の世界が「社会学帝国主義」から「心理学帝国主義」に変わりつつある今では少し古い見解ですが、「見田節」ですね。