学の継承とは

 だが、見田さんに影響を受けたひとびとは、「根源的に考えること」という姿勢を学んだのだと思う。わたしの師匠は吉田民人さんだが、わたしは彼の研究テーマも学風も学ばなかったのに、「理論の博打打ち」としての姿勢だけは学んだ。師が何を言ったか、何を書いたかはすっかり忘れているのに、身近にいたそのひとの、学問に対する態度だけは鮮明に覚えている。学の継承とはそういうものかもしれない(上野千鶴子「弧峰としての見田社会学」『現代思想臨時増刊号/見田宗介真木悠介』vol.43-19、青土社、2015年、p39)。


*いつもながら、クールな分析です。