2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

摂食障害と人間の間身体性

これは、患者の自己身体イメージと実際の身体を測る研究のきっかけにもなりました。背中の二点を押さえ、その距離と高さを表現してもらうのですが、直接に自己身体像を知る唯一の方法だろうといまも思っています。たとえば神経性食欲不振症(熊田註;摂食障…

認知行動療法ブームへの疑問

私が現代日本の「認知行動療法ブーム」(決して「認知行動療法」自体を批判しているのではない)を批判する理由は、1.現代日本社会における人間関係の希薄化を追認している側面がある、2.患者の精神的な「成長」ということを軽視している、ということにあ…

ニューハーフバー

昨夜はニューハーフバーで遊んで、婚約者のマンションにお泊まり。面白かったけれども、値段が高かった。今日のBGMは、バド・パウエルの『ポートレート・オブ・セロニアス』。個性の強いセロニアス・モンクの音楽ですが、パウエルが演奏すると、パウエル節に…

睾丸が小さいほど子育てに熱心? 米研究

http://www.cnn.co.jp/fringe/35037015.html より転載 睾丸が小さいほど子育てに熱心? 米研究 (CNN) 子どもを持つ男性は睾丸(こうがん)が小さいほど子育てに熱心な傾向がある――。そんな研究結果が9日の米科学アカデミー紀要に掲載された。 米エモリ…

アルコール依存症者の男性と権力について

(熊田註;精神科病棟病室の)「牢名主」はアルコール依存症の人が多いようにみえます。アルコール依存症の人の多くは病院の催しもので活躍したがるのですが、私は彼らを絶対にヒラにしてきました。彼らにはヒラを体験させることが重要な治療的体験です。病…

未婚の理由はなぜ?厚労省調査

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=95&id=2574303&from=home&position=1 より転載 結婚していないのはなぜ? 結婚するのに必要な収入は? -厚生省の若者調査 厚生労働省は10日、15〜39歳を対象に実施した「若者の意識に関する調査」の結果を公表した…

滝川クリステルと性の政治学

「おもてなし」。滝川クリステルによる五輪招致プレゼンテーションには、オリエンタリズムとセクシズムが露骨に見られました。 仏語にて/日本の美女が/お・も・て・な・し フジヤマで/ゲイシャみたいに/暮らしてる ポストコロニアリズムの古典であるフランツ…

妄想・幻聴・独り言の意義

私は決して妄想も幻聴も勧めるわけじゃありませんよ。勧めるわけじゃないけど、この独り言と同じような面もあるんですね。それらはみんな、必死に脳が整理しようとしているのでしょう。幻聴や妄想の「内容」が問題ではないと思うのです。恐怖を背景にして出…

ダメもと医学

(前略)私は、「証拠に基づいた医学(EBM)」とともに、「ダメでもともと医学」というものがあってもいいと思うんですよ。「ダメもと医学」ですな。英語でどう言うのかわかりませんけれど、とにかくお金がかからず無害なことならいい。野球でも打率三割なら…

論文

この秋に書く論文のタイトルは、「認知行動療法ブームに対する疑問-宗教学の立場から-」に決定しました。決して認知行動療法を全否定している訳ではありませんが、私が教えているいまの心理学科の学生たちは、認知行動療法に明らかに過大な期待を寄せていま…

ペットと日本人の話し好き

ペットクリニックでネコの予防注射をしてもらうためにネコ連れで電車に乗ると、毎年誰かが話しかけてきます。電車の中で話し合う習慣は廃れたようにみえますが、どうしてどうして、日本人は声を掛けたくてうずうずしているのでしょう。まだ「動物好きな人に…

人間関係と「ゆとり」

とにかく対立意見のあるときに乱数が発生しない、つまりデタラメに数を言うだけのゆとりがなくなるのだそうです。自然の猛威よりも対人関係のもつれのほうがゆとりをなくさせるのですね。これを発表した人が、「乱数発生ってこうするんです」と言いながら、…

草食系男子の生態

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000012147.html より転載 いま時の若者「恋人も異性友人もなし」男性6割にも 恋人も異性の友人もいない若者は、男性で6割に上りました。 2013年版の厚生労働白書では、初めて「若者」の結婚や出産に対する…

村上春樹のウディー・ガスリー論

(前略)しかしガスリーが一貫して持ち続けた、虐げられた人々のための社会的公正=social justiceを獲得しようとする意志は、そしてそれを支えたナイーブなまでの理想主義は、多くの志あるミュージシャンによって継承され、今日でもまだ頑固に―意外なほどと…

〇・五五秒のジェンダーフリー

私たちは、この〇・五五秒遅れを「現在」と考えているわけですね。いま思いついたと。実際は殺してやりたいと思っていても、「まあ、待てよ」ということなんです。これでわれわれはなんとか日々を過ごしている。実際は考え直していても、それを反省とは思わ…

保育園と子どもの社会性

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=60&id=2570980&from=home&position=4 より転載 保育園で過ごす時間が長いほど子どもの社会性が発達する―オランダ調査結果 オランダの大学研究によると、デイケアを受けている子どもほど社会性、コミュニケーショ…

歯科医

今日は歯科医に行きました。歯石を取ってもらい、初期の虫歯を一本治療しました。

曽野綾子「出産したら退職を」提言

http://www.news-postseven.com/archives/20130909_210056.html より転載 曽野綾子「出産したら退職を」提言に「問題提起に意義あり」 <女性は赤ちゃんが生まれたら、いったん退職してもらう。そして、何年か子育てをし、子どもが大きくなったら、また再就…

会議日

今日は会議等の校務で出校しました。

認知行動療法と精神分析療法

(前略)しかし、残念ながら間もなく起こった学園紛争でこの興味ある試みも頓挫せざるを得ませんでした。今日も私は、こういう形でカウンセラーに精神科教育をする時代がくればよいのに、と思っています。それも新人ではなく、一定の経験を積んだ人が対象と…

帰宅

東京での宗教学会から無事に帰宅しました。

学会移動日

今日は、東京で開かれる宗教学会への移動日でした。

お休み

今日はお休みにしました。疲れていたようで、終日寝たり起きたりでした。

森田療法の位置づけ

(前略)昭和のはじめは元より平成に入るついこの間まで、森田療法は日本の精神科医にとって当然知っているべき精神療法でした。昔の大教授も、たとえば下田先生、今村先生、内村先生らもこぞって森田療法を評価しておられたようです。「症状をあるがままに…

前青春期の同性同年輩関係

かつて、大学生のアパシーを論じた先駆的著作(1977年)において、精神科医の笠原嘉は、青年の対人恐怖症を分析して、サリヴァンの、人間の精神的成長にとっての前青春期における「同性同年輩者関係」の重要性を強調した考察を紹介しました。笠原嘉は、現在…

お休み

今日はお休みにしました。夕方、持病の薬を受け取りにクリニックに行きました。

大島弓子と精神分析

私は、「少女マンガ花の24年組」のなかでいちばん「紙一重」タイプなのは、大島弓子だと思っています。若い日に「F(熊田註;フロイト)式蘭丸」という作品を書いている大島さんは、精神分析にも造詣が深いと思います。特に、「山羊の羊の駱駝の」(初出1988…