男性性

男性サバイバーのカウンセリング

******************* ◆【カウンセリングオフィスPOMU(神戸)の紹介】◆ 皆様はじめまして。 心理カウンセラーの山口のぶきと申します。 性被害を受けた男性のための「カウンセリングオフィスPOMU」を去年末に神戸で立ち上げました。 私は…

光市母子殺害事件と従軍慰安婦問題

光市母子殺害事件で被告が殺害した女性を屍姦したのは、おそらく、自殺した実母からの性的虐待によって「傷つけられた」男性性を無意識のうちに回復しようとしたのでしょう。被告は獄中から友人に宛てた手紙で、「俺も男だ!」と強調しています。一方、男性…

父なき子たち

しかし、ここでいう父親不在の根を今日の父親年齢の男たちのだらしなさに求めるのは単純にすぎよう。われわれはくりかえしみている。平均以上の偉大な「男らしい」父親と従順な息子という組み合わせからも困難はいくらでもおこりうることをみている。それか…

「不自由の象徴」星飛雄馬

http://www.news-postseven.com/archives/20120229_90621.html より転載 au携帯CM 星飛雄馬を「不自由の象徴」扱いに中年世代が違和感 au携帯の「あたらしい自由」を伝えるCMシリーズは、合間に、突然「巨人の星」の星飛雄馬の顔がインサートされ、『俺は(…

『朝日新聞』の男性差別

昨日(2月25日)の『朝日新聞』夕刊コラム『素粒子』に、以下のような差別表現が用いられています。「男が絶滅しないとはいうものの。進化するほど、ちびてしまったY染色体。草食系が増えてきたのはそのためか。」 これは、近代的な男性像を生物学的な「正常…

梶原一騎のマチズモー大澤真幸氏に対する批判

『朝日新聞』2012年1月31日号に掲載された書評で、社会学者の大澤真幸さんは、「飛雄馬やジョーはどこにいるのか」と題して、橋本健二さんの著書『階級社会ー現代日本の格差を問うー』(講談社、2006年)を評して、以下のように述べています。 http://book.a…

忠臣蔵・新撰組・特攻隊ー近代日本の三大テロリスト

http://logsoku.com/thread/hato.2ch.net/news/1286073903/ より転載 近代日本の三大テロリスト 忠臣蔵 新撰組 特攻隊 ポストモダンの<草食系男子>の感受性は、この記事を読む限り、健全だと思います。戦中派の佐藤忠男は『草の根軍国主義』(平凡社、2007…

インド版『巨人の星』

講談社が、アニメ『巨人の星』のリメイク版(クリケット版)をインドで放映するそうです。魔球は「大英帝国ボール」になるのかな? http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012010702000016.html より転載 インド版「巨人の星」 競技はクリケッ…

「女々しくて」の大ヒット

TV番組「ブロードキャスター」の報道によると、ゴールデンボンバーの楽曲「女々しくて」が、あのAKBを抑えて、今年の「忘年会にカラオケで歌いたい曲」第1位になったそうです。「なでしこジャパン」が今年の流行語大賞を受賞したことと合わせて考察すると、…

はじめての忠臣蔵

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201112060276.html より転載 〈はじめての忠臣蔵〉「虚構97%」、美意識の極み 今年も忠臣蔵の季節がやって来た。始まりも終わりも知っているのに、ついまた見てしまう不思議な物語。300年以上にわたって…

戦争とアダルトチルドレン

*以下の文章は、団塊の世代(グローバルな戦後第一世代)に属するある男性の手記です。この人の職業は、社会福祉士です。 私の父は沖縄戦の生き残りでした。北海道から沖縄に送られた部隊は、11000名だったそうですが、生きて帰ってきたのは1000名…

マイク・タイソンと伝書バト

http://news.livedoor.com/article/detail/5256702/ より転載 M・タイソン余生をハトに捧げる…下着姿でたわむれる 元ボクシング世界ヘビー級王者、マイク・タイソンさん(44)が、米TVのドキュメンタリー番組に出演することが決まり、6日、米カリフォ…

人を助けて我が身たすかる

『すきっと』第十号の企画で対談した石蔵文信氏は、不定愁訴や不安障害などに悩む中高年男性のために「男性更年期外来」を立ち上げ、治療に当たっているというユニークな医師である。 氏の発言の中に「六十過ぎの方でちょっと体調の悪い方にお仕事に行きなさ…

<男>から<侠>へ

<男>から<侠>へ、<意地>から<粋>へ、<明日のための今日>から<今日のための今日>へ、<絆>から<舫>へ、<滅私奉公>から<活私開公>へ。近年の私の男性性研究の成果を簡潔に要約すると、このようなコピーになります。

認知症の男性患者

(熊田註;認知症の女性高齢者に化粧をすると、表情がパッと明るくなったり、暴力行為がなくなることがある)一方、施設で怒鳴り散らす認知症の男性。介護職の女性が「社長!来客です」と呼ぶと怒鳴ることをやめ「わかった」と返事をしたという話もある。「…

<疑似主体化>の試みとしてのDV

けれども、殴るという行動は、そうした発達過程に原因のある行動というよりも、自己を維持するための手段として学習された行動である。バタラーたちは、彼らの不安定な自己像が壊れないようにするために、暴力という野蛮な行動に依存している。彼らが、力に…

江戸川乱歩の『芋虫』

私は、上野千鶴子さんが指摘するように、「男性の性の謎は、男性自身の手にによって解かれなければならない。」と思っています。「男(または日本人男性)は狼なのよ」では、構築主義的説明にはなりません。今のところ、男性の性暴力(さらにはDVにおける暴…

心因性不能症

この結論をより一般化すれば、自分自身の身体が、他者のそれへと根源的に開かれたものである以上、性的行為一般にあって、他者の実在、不在には本質的な差異はありえないということになるだろう。丁度、生理的現象とみなすかぎりは、自慰と性交とに差異がな…

草食男子叩き

自称「フェミニズムの理解者」(実は保守オヤジ)のマスコミ精神科医・斎藤環さんが、「草食男子叩き」を始めました。石原慎太郎さんを絶賛している人だけに、「やっぱりね」と思います。 この本(熊田註;村山由佳『ダブル・ファンタジー』文藝春秋、2009年…

小谷野敦さんのこと

普通、小谷野敦さんのように、曲がりなりにも東大で博士号を取得していて、あれだけの数の著作があれば、どこかの大学に常勤ポストがあるものです。小谷野さんに関しては、真偽の程は知りませんが、大阪大学を辞任する際に、(小谷野さんの言い分を信じれば…

「男の娘」(おとこのこ)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/02/news007.html より転載 「男の娘は自由の象徴」 “女装アイドル”が語る「男の娘」 「女の子というキャラクターになりたいんです」――「女装アイドル」のノトフさんに“男の娘”の生態を聞いてみた。化粧もしちゃ…

森岡正博さんの弱さ

森岡正博さんの『感じない男』(ちくま新書、2005年)を読みました。「私(という一男性)の性行為における快感=射精の快感=排泄の快感」という男性に関する近代的な「不感症神話」が所与の前提とされ、「女性に対する戦時性暴力」の背後には、女性の「感…

「みんなの党」と近代日本の「忠臣蔵」幻想

新自由主義的政策を掲げ、大衆迎合的な公務員バッシングを展開して先日の参議院選挙で大躍進した「みんなの党」(渡辺善美代表)の選挙におけるキャッチコピーは、「四十七士作戦」でした。「もっとも尊敬する歴史上の人物は大石内蔵助」という小泉純一郎元…

メンズブラの世界

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1278475&media_id=59&m=1&ref=news%3Aright%3Apickup より転載 人気の色はピンク? 黒? メンズブラ”の世界を徹底取材 “メンズブラ”とは男性が身につけるブラジャーのこと。昨年あたりから、多くのメディアでも取り上げ…

憚りながら

元・ヤクザの組長で、現在は僧侶になった後藤忠政さんの『憚りながら』(宝島社、2010年)を読了しました。日本の戦後史の暗部がよくわかる本です。創価学会と暴力団の関係を暴露した部分が面白かったです。午後は、美容院で髪を切りました。

暴力団関係の本は有害図書?

http://www.nhk.or.jp/lnews/fukuoka/5015357642.html より転載 暴力団関係の本 有害図書指定 福岡県は青少年を暴力団に加入させないための対策の一環として、暴力団を扱った雑誌とマンガあわせて5種類を、県の条例に基づいて有害図書に指定し、18歳未満…

DV加害者男性と趣味

『中井久夫著作集』を読んでいたら、「アルコール治療の覚書」として、 1.趣味があった方が治りやすい(この世に愛着がある)。 2.特に辛抱を要求する趣味がよい(例えば、魚釣り)。 3.男らしさを誇示する趣味は役に立たない(例えば、猛犬を飼う、ス…

机竜之介と宮本武蔵

が、両者の決定的な違いは、机竜之介が破壊者であるのに対し、宮本武蔵が建設者である点ではないのか。これは中里介山と吉川英治の大衆観の相違でもあり、前者が大衆の前に狷介孤高な貌をさらし、深い諦観へ没入していったのに対し、後者はあくまでも、「大…

「龍馬ブーム」をどう見るか?

http://www.j-cast.com/2010/04/05063291.html?p=all より転載「龍馬」ブーム異常盛り上がり SB孫社長だけでない「入れ込み」 異常なほどの「龍馬ブーム」が巻き起こっている。NHK大河ドラマ「龍馬伝」の視聴率も毎回20%超と好調だ。2009年12月24日にTwitter…

<自己完成のための殺人>の発見と変容ー『宮本武蔵』をめぐってー

『愛知学院大学人間文化研究所紀要』25号原稿(2010年9月刊行) <題名><自己完成のための殺人>の発見と変容−『宮本武蔵』をめぐってー <著者>熊田一雄(宗教文化学科准教授) <Title>The Discovery and Transformation of <Murder for Self-complet…