思春期の精神的危機

 疫学的に、癌の場合と同じように患者の数がふえる勾配がいちばん急なところが問題だとすれば、16歳から17歳にかけてである。実際にも、高校1年の秋あたりがいちばんあぶない時期である。この危機的な時期は、統合失調症のかたちをとらずにすむことのほうが実際は多いだろうが、精神健康にもっとも注意する必要のある年齢である。そう感じている養護教諭が多い(中井久夫山口直彦『看護のための精神医学/第2版』医学書院、2004年、p108)。


現代日本における少年犯罪の問題を考える上でも、示唆的な指摘です。