妄想は、平板(一本調子)な音調で語られることが多い。患者にたいして、少し大げさなくらいの生き生きとした音調や表情や身ぶりで応答することは、患者が妄想から抜け出すきっかけを徐々につくる。「えーっ、きみーっ、それーって何のことぉ?ほんとうならたいへんだけどね!!」というふうである。患者が閉じこもっている殻を破る力をもっているものは、理屈ではなく、生き生きとした音調や表情や身ぶりである。私たちは子育てのとき、そうしていないだろうか(中井久夫+山口直彦『看護のための精神医学/第2版』医学書院、2004年、p102)。
*ごもっともです。