医療・福祉従事者とBDP的な心性

(前略)また、BDP(境界性パーソナリティ障害)的な心性の持ち主は、意外にも医療や福祉の従事者にも散見される。かれらはなるほど困った面もいろいろ持ち合わせているが、自分のつらさを他人に見て取ってなんとかしてあげたいとか、「援助者にとっての商品はやさしさと親切である」といった誤解(やさしさと親切だけで終始できれば苦労しない!)をしてこの分野に憧れることが結構ある。したがって、仕事の上でつきあうことになる人々のなかに、BDP的傾向の人物がいる可能性をあらかじめ覚悟しておいたほうが賢明なのである(春日武彦『援助者必携ーはじめての精神科/第2版』医学書院、2011年、p111)。


*心理学科の学生を対象にして宗教心理学演習を担当していても、同じことを実感します。ましてや、「アダルトチルドレン問題」をテーマにしたりすると、なおさらです。