境界例と自殺防止

 この患者は自殺しかないのでは、という患者からくる否定的な「暗い風」に圧倒されないことである。そういうときに、「あなたが自殺せずに生きつづけているのは喜ばしい奇跡だよ」とこころの中でつぶやくのは自殺防止になる。このつぶやきは顔にでる。患者は治療者の顔色に敏感である。
 境界例は自殺しなければ、また、慢性的に「深い精神療法」を受けなければ、30歳を過ぎると一般に軽快する。長期予後はけっして悪くない(中井久夫山口直彦『看護のための精神医学/第2版』医学書院、2004年、p211)。


*教育者にとっても、境界例の学生に接する上で、参考になる見解です。教師が境界例の学生に振り回されている姿、よく目にします。