依存症と完全主義

 「宗教心理学演習」で、信田さよ子さんの本を輪読していて、「アルコール病棟の優等生がスリップして、病棟の問題児が断酒を継続していることが少なくない」のはなぜか、と質問されました。「おそらく、優等生は完全主義の性格が災いし、問題児はいい加減な性格が幸い『良い加減』につながったのではないか」ととりあえず答えておきましたが、これでいいのでしょうか?ご存じの方、ご教示下さい。
―多くのアルコール依存症の患者は、社会的ルールや倫理にむとんちゃくな人ではなく、道徳を過敏に意識する、いわば「超自我」が重すぎる人である。筆者はアルコール依存症をはじめとする物質依存の人に風景画を描いてもらったところ、風景のなかの人物がひとり残らず「一生懸命働いている人」であるのに、「なるほど」とうなったことがある(中井久夫山口直彦『看護のための精神医学/第2版』医学書院、2004年、p268)。