日本における「ひきこもり」の位置づけ

 今日、わが国のために弁ずる者は、わが国の犯罪率の低さを挙げる。たしかにその通りであろう。しかし、一方、わが国の精神病院入院者数が自由世界最大であるらしいことも挙げねば不公平というものだろう( 中井久夫「ある教育の帰結」『「思春期を考える』ことについて』ちくま学芸文庫、2011年(初出1979年))。


 日本って、デモとか暴動があまり起きないっていいますけど、新型うつは、ある種の日本版のデモや暴動なのかもしれません。これってある種の「無言の抵抗」ではあるけれども、結局は社会を揺るがしているわけじゃないですか。だから、それをまず真摯に受け止めるってことが必要です(古市慶寿「社会学の見地から」NHK取材班(編著)『職場を襲う「新型うつ」』文藝春秋、2013年、pp.136-137)。


*日本における「ひきこもり」の多さは、日本人の内向性と関係しているのかもしれません。