映画

J・ホラー「女と女の戦い」

「貞子vs.伽耶子」というホラー作品が封切られました。このうち、『呪怨』の伽耶子という女性表象が「ソフトな性差別」の産物であることは、以前に指摘しました。 ホラー映画『呪怨』とソフトな性差別 http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20150806/p1 『リング』…

アメリカン・スナイパー

遅ればせながら、映画『アメリカン・スナイパー』を視ました。戦争映画として、「リアル」という意味ではよく出来ていることはわかりますが、「人間を殺すことの大変さ」を描いたのではなく「生き物を殺すことの大変さ」を描いているのではないか、という疑…

ホラー映画『呪怨』とソフトな性差別

ー特権をもった人間が、自分の抑圧した人間に対して心に抱くやましさという重荷、そうした気づかいは、まさしく特権を維持するための気づかいなのである(フランツ・カフカ『夢・アフォリズム・詩』平凡社ライブラリー、1996年、p110) 日本のホラー映画『呪…

『寄生獣』映画化について

映画『寄生獣』、やっぱり見にいかないことにしました。私は岩明均の原作マンガの熱烈なファンで、マンガのネームを丸暗記しているほど何度も読み返しています。原作があまりにも傑出した作品なので、多少映画化の手法がマズくても、一定の出来映えにはなる…

ハリウッド版「忠臣蔵」

【画像】キアヌ主演のハリウッド忠臣蔵「47RONIN」のポスターが凄いことになってる(8枚) http://blogbu.doorblog.jp/archives/52453033.html *アメリカ人に、20世紀日本における「男らしさ」のイメージを規定していた「近代『忠臣蔵』幻想」(拙著「男ら…

「任侠ヘルパー」映画化

TVドラマ『任侠ヘルパー』が映画化されるそうです。 http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1908193&media_id=8 私は、これからの日本社会は、江戸後期あたりを参考にして「そこそこの国」になればいいと思っていますが、その際「<侠>と<粋>」の再評価が…

ノルウェイの森

http://eiga.com/movie/53950/review/ より転載 観終わった後出口に向かって歩いていると 後ろから女子高生仲間達の会話が聞こえてきた。「さっぱりわからん! 何を悩んでるの?彼は。 ただヤリたいだけやん!」 *「(ノーベル賞候補という)王様は裸だ!」…

山田洋次監督のシスコン

『読売オンライン』より転載 http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20100221-OYT1T00264.htm山田洋次監督に特別功労賞…ベルリン映画祭 第60回ベルリン国際映画祭で20日夜(日本時間21日未明)、山田洋次監督が特別功労賞にあたるベルリナーレ…

山田洋次監督の「おとうと」

今日は、久しぶりにガールフレンドとデートしました。加賀屋で魚を食べて、映画は山田洋次監督の「おとうと」を見ました。「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督らしい、近親姦すれすれの「シスター・コンプレックス」(姉の役は、吉永小百合が演じていま…

「アバター」が映すアメリカの苦悩

『日経ビジネスオンライン』より転載 http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100203/212564/?P=3 白人中心主義とリベラリズム思想の対峙 さて、最初の第1の問題に戻ろう。アメリカ映画に野蛮な「文明人」vs.気高い「野蛮人」の構図が繰り返し登場…

アバターとキリスト教右翼

*予想通りの展開です。キャメロン監督にとっても、「想定内」の反応でしょう。 「アバターは反米・反軍映画」保守派いら立ち 『読売オンライン』より転載 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100130-OYT1T00839.htm 【ロサンゼルス=飯田達人】世界興行…

「アバター」世界的大ヒットの政治的意味

Japan Mail Medeia No.564 Saturday Edition 『from 911/USAレポート』第439回「2010年、オバマの時代は始まるのか?」 冷泉彰彦:作家(米国ニュージャージー州在住)より転載 その意味で、ジム・キャメロン監督が200ミリオン以上の経費を…

ターミネーター4

レンタルDVDで、『ターミネーター4』を見ました。駄作で、ガッカリしました。もう続編は作らない方がいいでしょう。

近代における廃墟趣味の系譜

廃墟は、その荒廃ぶりが徹底していればいるほど、人間の無力さを感じさせるが、同時に偉大さも感じさせてくれるのだ。眼前にひろがる湖陵と闇の深さに慄然としながら、同時に不思議な力が身内に湧いてくるのを感じる、否定と肯定の両面をそなえた得体の知れ…

「羊たちの沈黙」とオリエンタリズム

西欧映画「ハンニバル・ライジング」(2007年・米英仏合作)では、日本の伝統文化が、狂気の天才精神科医・レクター博士のカニバリズムに影響を与えたことになっています。Wikipedia「ハンニバル・ライジング」より引用 本作のヒロインともいえる、ハンニバ…