アメリカン・スナイパー

 遅ればせながら、映画『アメリカン・スナイパー』を視ました。戦争映画として、「リアル」という意味ではよく出来ていることはわかりますが、「人間を殺すことの大変さ」を描いたのではなく「生き物を殺すことの大変さ」を描いているのではないか、という疑問がぬぐえませんでした。監督のクリント・イーストウッドは、イラク戦争には一貫して反対していた人ですが、そういう人ですら自由になれないほど、オリエンタリズムの病根はアメリカ社会に深く根ざしているのでしょう。


―「生き物を殺すのは大変だから、最初はパパといくんだぞ」(主人公が、狩猟について息子に教えるセリフ)