J・ホラー「女と女の戦い」

 「貞子vs.伽耶子」というホラー作品が封切られました。このうち、『呪怨』の伽耶子という女性表象が「ソフトな性差別」の産物であることは、以前に指摘しました。


ホラー映画『呪怨』とソフトな性差別
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20150806/p1


 『リング』の原作者である鈴木光司氏は、多少はジェンダー・コンシャスですから、「貞子は実は女性ではなく両性具有であった」として、女性差別という批判をかわそうとしています。しかし、強姦殺人の被害者である貞子の怨霊と、DV殺人の被害者である伽耶子の怨霊を戦わせるー「女と女の戦い」に物語を収斂させるーという発想は、あまりにも露骨な性差別だと思います。