サポーターの援助希求能力

 これではダメです。孤立したサポーターに支援されている人はとても不幸です。それは、「いつ綱がちぎれてもおかしくない吊り橋」を渡らされるようなものだからです。サポーターとなる人もぜひ一人で抱え込まずに、友人や同僚、上司、カウンセラー、あるいは、地域の保健所や精神健康センターに相談してみましょう。
 最後にもう一度繰り返しておきます。自傷する人を援助するあなたには、自傷する人とは異なる高い援助希求能力が必要です。そして、あなたを支え、バックアップしてくれる仲間や助言者が必要なのです(松本俊彦『自分を傷つけずにはいられないー自傷から回復するためのヒントー』講談社、2015年、p265)。


*宗教学の大学教師である私も、学生に相談を持ち込まれることが少なくありません。「寄る辺なき援助者」(中井久夫氏のいう“helpless helper”)にならないように、気をつけたいと思います。