神経症

ある意味では、神経症なんて「ふと思いつく」と「託す」との合体なのです。だからお手軽であることこのうえない。にもかかわらず当人にとってはシリアスかつ、それはつらいところがこの病気の特徴です。しかもそうしたメカニズムが当人には分からない。独り相撲で苦しんでいる。それを換言するなら、「人は困っているときにそれを素直に表明してSOSを出せないものだ」という、先ほどから繰り返している話に行き着く次第です(春日武彦『はじめての精神科 第3版』医学書院、p33)。