自分を傷つける若者と宗教

 だから、私はこんなふうに考えています。自分を傷つける若者はたしかにさまざまな方法で自分の健康を害し、自分を大事にしない行動を繰り返しているが、そのなかでももっとも自分を大事にしない行動は、リストカットでも、飲酒や喫煙でも、拒食や過食・嘔吐でも、危険なセックスでもなく、「悩みを抱えているのに誰かに相談しないこと、助けを求めないこと」である、と。
 それでは、そのような問題を抱えている友だちに対して、あなたは一人の友人として何をしてあげたらよいのでしょう? 
 答えはこうです。その友だちが誰かの相談したり助けを求めたりするのを手伝ってあげればいい、ということです(松本俊彦「問題に『気づき』『かかわり』そして『つなぐ』」松本俊彦(編)「中高生のためのメンタル系サバイバルガイド」日本評論社、2012年、p6)。


*日本の宗教者も、『つなぐ』相手として名乗りを上げて努力すべきではないかと思います。