自助グループ/問題縁/「入信即布教」再考

 過日の「宗教と社会」学会テーマセッション「『民衆宗教』と精神医学/治療文化」において、私は、近代日本における新宗教の「入信即布教」という方針に「教団エゴの現れ」という側面があることは否定しないが、同時にそれなりの「治療的効果」もあったのではないか、という問題提起をしました。コメンテーターの島薗進先生(上智大学)は、「現代日本のようにプライヴァシー意識が高まると、『入信即布教』は実行困難なのではないか?」、とコメントなさいました。
 確かに、近代のように「地縁・血縁」にのった「入信即布教」は、現代ではもはや困難でしょう。しかし、AA(アルコホリクス・アノニマス)のような各種依存症の自助グループも、やはり「入信即布教」という活動方針をとっています。「問題縁」にのった「入信即布教」は、現代でもやはりそれなりの「治療的効果」をあげているのだと思います。


「NABAの体験談活動」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20130707/p1