日本の宗教と<暴力>の問題系
天理教の女性教祖・中山みきが護衛に起用していた平野楢蔵は、森の石松の息子で、天理教に入信する前はやくざの大親分でした。大本の男性教祖・出口王仁三郎のボディガードをしていた植芝盛平は、後に合気道の開祖になります。合気道を広い意味での大本の分派とみなせば、最大の分派教団です。中村元によれば、「不動明王信仰」のように仏教が「戦い」を正当化するのは日本の仏教に特有の現象だそうです(「力による人倫的組織の擁護」『東洋人の思惟方法3』春秋社、1962年)。こうした日本の宗教と<暴力>の関係の分析は未開拓の研究領域であり、今後探求されなければならないと思います。
「天理教教祖と<暴力>の問題系」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20080901/p1