植民地支配とDV

拷問をやめたら辞職しなければならないだろうし、そんなことを考えるのはナンセンスであろうから、彼は良心の呵責もなく、行動の障害(熊田註;自分の妻子に対する暴力)もなく、心静かに(熊田註;フランス植民地の)アルジェリア愛国者たちを拷問しうるよう助けてほしいと、あからさまに私(熊田註;精神科医フランツ・ファノン)に頼んでいたのである(フランツ・ファノン『地に呪われたる者』みすず書房、1996年(原著1961年)、p.264)。


*植民地支配が、被支配者はもちろん、支配者の側の精神をも蝕んでいくことをよく示している文章です。