オセロ・中島と「マインド・コントロール」

 ある種の人々は、疑いもなく、他者を結ぼれに縛りつけたままにしておく際だった傾向をもっている。結ぼれをつくるのが上手な人々と、結ぼれに縛りつけられることが上手な人々とがある。縛る者と縛られる者とは、それがどんなふうになされているかについて、いやそれどころか、そもそもそんなことがなされているという事実にさえ、双方とも気づいていないことが多い。何が起こっているのかを知ることが当事者たちにとっていかに困難であるかには、おどろくべきものがある。結ぼれの一部であるということはそれが結ぼれであることを見抜かないことだ、と思わないわけにはいかない(R・D・レイン『自己と他者』みすず書房、1977年、p.198)。


*私たち宗教社会学者は、対人関係における相互作用を重視するので、心理学者の用いる「マインド・コントロール」 という概念は採用しません。オセロ・中島と女性「霊能者」の関係は、レインの提唱する「結ぼれ」概念を用いて説明したほうがいいのではないでしょうか。