ポストコロニアル時代における統一教会問題

 私たち宗教社会学者は、教団への入信においては入信者の自発的意志も関係していると考えるので、心理学者の用いる「マインドコントロール」という概念は、分析概念としては採用しません。統一教会の場合、日本では、日本の韓国における過去の植民地支配に対する無意識の罪悪感を煽り立てる布教を行っています。つまり、統一教会は日本では、浄土真宗でいう「機責め」、つまり相手の罪悪感を煽り立てる「危険な布教方法」を組織的に用いていると批判することはできます。日本における統一教会問題を根本的に解決するためには、韓国における日本の過去の植民地支配を清算することが必要でしょう。