自己断片化

 自己愛の病理の治療理論を発展させたコフートは、現代人のこの精神的危機を「自己断片化」という用語を使って表現しています。これはまとまりのある統合されたものとして自己を体験できなくなっている病的な状態であり、実際には自己感覚や身体感覚が失われる不安、自己の存在が脅かされる不安、慢性的な怒りといった精神症状として現れます。このような症状は、境界性パーソナリティ障害を始めとするさまざまな精神疾患の人々にしばしば観察されます(林直樹「監訳者解題」タミ・グリーン『自分でできる境界性パーソナリティ障害の治療ーDSMー4に沿った生活の知恵ー』誠信書房、2012年、p79)。


*自己断片化とは、上手い表現だと思います。