境界例は20人に1人?

 従来の調査において境界性パーソナリティ障害の一般人口における頻度は、0・7%〜2・0%であると報告されていました。これは、精神疾患の中で相当に高い頻度です。さらに。最近発表された米国での研究では、とても高い障害罹患率が報告されています。それは、一般人口において5・9%(男性5・6%、女性6・2%)という驚くべき数値でした。これに対してすでにいくつかの反論が示されていますが、この研究は、対象者が約三万五千人というごく大規模なものであり、周到に準備されて実施されていますから、その結果は容易に揺らぐものではありません(林直樹「解題」タミ・グリーン『自分でできる境界性パーソナリティ障害の治療ーDSMー4に沿った生活の知恵ー』誠信書房、2012年、pp.102-103)。


*私は、境界例の人は、現代日本でも20人に1人くらいいるのではないか、という印象をもっています。大学教員として、若い世代と接する機会が多いせいかもしれませんが。