新自由主義・「心の習慣」・「女性の品格?」

 昨年亡くなった宗教社会学者ロバート・ベラー氏が率いていたカリフォルニア大学バークレー社会学部の研究グループは、1980年代のレーガノミクスに対抗して、「効率と競争ばかり追求していると、人々の心は脆くなる」と、アメリカではベストセラーになった『心の習慣ーアメリ個人主義のゆくえー』で説得的に示しました。日本では1990年代以降に浸透した新自由主義的風潮に対して、どうして同じような警告が一般社会に流布しないのか、私はずっと以前から不思議に思っていました。いい加減に、日本社会も真剣に考えなければならない問題だと思います。興味を寄せて下さる方は、拙著『男らしさという病』(風媒社、2005年)のなかの「官僚制消費資本主義と宗教倫理のセラピー化」という章をご笑覧下さい。現代日本の若者に少なからず見られるー今回の名古屋における女子学生による殺人事件にも典型的に見られるー「死にたい/殺したい」という願望の社会学的な原因ー人間関係の希薄化ーについて説明したつもりです。


「女性の品格?」
http://d.hatena.ne.jp/kkumata/20070901/p1