「男脳女脳」ホント?

http://globe.asahi.com/feature/memo/2014031400017.html より転載
「右脳左脳」「男脳女脳」ってホント?


 彼は「右脳」タイプだから、ひらめきに優れている。私は典型的な「女脳」だから地図が読めない──。日常会話でも登場する「右脳左脳」「男脳女脳」は本当にあるのだろうか。
 経済協力開発機構OECD)は2007年、日本を含む世界の脳科学者らの協力を得て、「Understanding the Brain(脳を理解する)」という約260ページの冊子を出した。その一章は「神話を駆逐する」。
 右脳左脳、男脳女脳のほか、「人間は脳の10%しか使っていない」「脳に重要な全てのことは3歳までに決まる」「睡眠中に学習できる」「学習には最適な時期がある」「記憶力は改善できる」などの8項目で「科学的根拠がない神話」と結論付けた。
 「右脳左脳」については、働きの程度に差があるとしても、脳が働くときは右半球と左半球が同時に働くため、片方の脳だけが働くということはない、と説明。「男脳女脳」では、男性の方が脳のサイズが大きく、女性の方が「言語をつかさどる部分が活発」などの特徴はあるが、学習や思考などとの関係を明らかにした研究はないという。
 それでも、右脳と左脳や、脳の性差に関する研究は相次いでおり、新発見があるかもしれない。記憶力は改善する、との報告も出ている。本当に「神話」なのか。脳の不思議を探る研究は続く。
(岡崎明子)