「民衆宗教」と境界性人格障害

 ネット上のある「境界性人格障害」のコミュニティで、「身体は神様から借りてきたものだから、汚してボロボロにして返しては駄目なんだという考え方があります。みなさまは、こういう考え方をどう思われますか?ご教示いただければ幸いです。」というアンケートを試みたことがあります。これは天理教でいう「かしもの・かりもの」の教義なのですが、こういう宗教的な身体観は、境界性人格障害にしばしば伴う各種の「自傷行為」(=「故意に自分の健康を害する」精神病理)に対する抑止力になりうると考えているからです。
 回答はもちろん賛否両論でしたが、「治療前なら(熊田註;回答の選択肢から)全く納得できないを選んでいたと思います」というコメントをつけてくださった方(女性)がいました。昔は大量服薬(OD、オーバードーズ)をしていたそうです。治療は困難とされている境界性人格障害ですが、おそらく、この人は「治癒」する(宗教的には「回復」する)ことでしょう。