島田裕巳「日本の10大新宗教」というトンデモ本

 島田裕巳さんの著書「日本の10大新宗教」(幻冬舎新書、2007年)が、今年のベストセラーになりました。内容は、有名教団についてのウワサ話のツギハギで、学術的研究どころか、ルポルタージュにもなっていない。三文週刊誌レベルの本です。取り上げられた教団の関係者に聞くと、「みんな怒っているが、相手にするのも大人げないので無視する。もし著者が島薗進だったら、告訴する。」そうです。こんな本がベストセラーになるなんて、日本の宗教文化をめぐる言論状況は、まだまだお寒い限りです。
 いったん大学を追われた学者は悲惨です。他に何の使い道もないから、島田さんのような売文業者になるしか食べていく方法がなく、また、売文業者になることでますます大学に定職を得ることが困難になっていく。島田さんがどこかの大学で再び定職を得る可能性は、もうないでしょう。私も、多少のストレスにはめげないで、今のポストを大事にします。