牧口常三郎と天皇制

 第三文明社(編)「牧口常三郎と獄中の闘い」第三文明社、2000年に、牧口の天皇観が記録されています。

 私は学会の座談会の席や、また会員その他の人に個々面接の際度々陛下のことに関しまして、天皇陛下も凡夫であって、皇太子殿下の頃には学習院に通われ、天皇学を修められているのである。
 天皇陛下も間違いも無いではない。明治初年に明治天皇山岡鉄舟は随分ご忠告をして間違いを指摘されたそうである。と話した事がありますが、全くその通りであります(p132)。

 その一方で、

 (前略)日本国民は陛下に忠義を尽くすのが臣民道であると考えます(p135)。

 新渡戸も牧口も「天皇への忠誠」を言いますが、忠誠は「良心の自由」を譲り渡すものではないというスタンスです。その点が、軍部と仲良しで内村鑑三の不敬事件を糾弾した東大の御用学者・井上哲次郎(1856-1944)などとは決定的に違う点です。