村上春樹と実存主義

村上 ぼく、一年半ばかり前から、半年間位フランス語をやって、カミュの『異邦人』を読んだんですよ。あれ面白かったけど、小説としてはそれほど面白くないんですけどね、でも一種のメッセージでしょう、あれ。まあ一種の寓話ですね。でも、ああいう小説はいけないなと思ったけど、また同時にああいう面白さというのも分る。あれ読んでから、書こうかなという気になったんですけどね(「インタビューー村上春樹」『カイエ』1979年8月号、冬樹社、pp212)。

村上春樹に初期からあった、「実存主義的/グノーシス主義的」なもの。