鉄のようにかたい網(ネット)

 以上の文章でウェーバーは、しばしば「鉄の檻」と訳される有名な修飾表現(メタファー)を用いている。筆者はこの「鉄の檻」を「鉄のようにかたい網(ネット)」と訳した。いまの資本主義のシステムが「鉄の檻」だと表現しても、なかなかそのようには感じられないかもしれないからである。むしろ現代の資本主義システムは、鉄のようにかたい網と表現したほうがよいのではないか。原語の「ゲホイゼ」は、枠(外枠)、住まい、殻、ケース(箱)、カプセルなどと訳すこともできる(橋本努『解読ウェーバープロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」』講談社選書メチエ、2019年、p265)。

*なるほど、と思います。