天理教教祖は強い父の夢をみたか

 おやさまのお生まれになった大和国(現在の奈良県)三昧田村は藤堂藩の所領に属し、お生まれになった家は前川氏と申しまして、前川氏は藤堂藩につかえて苗字帯刀を映された近隣に隠れなき豪農にして、おやさまの父前川半七正信様は誠実温厚の聞えあり、母きぬ様もまた慈悲の心が深く夫婦和睦し、家庭の雰囲気はやわらいでおだやかでした。そのなかにおやさまは寛政十年四月十八日、長女としてお生まれになり、御名をみき様と呼び、あとに弟妹四人お生まれになりました(天理教南大教会『松永好松遺稿・普及版・教祖ひながたと基本教理』1993年、p3)。

 

*やはり、みきの父親を家父長制的な「強い父」(島薗進先生)と見ることには、無理があると思います。