近代日本「新撰組」幻想

安部 赤軍派に似ているのは、新撰組だな。新撰組が京都にーあれは会津藩から派遣されたのかな。それで幕府側の秩序を守るためにかり集められて、百姓が急に侍にされて京都に送られたわけだ。
 ところが、なかにはほんとに侍もいたわけさ、上のほうには。ところが、近藤勇土方歳三が徹底的に、総括システムで、「総括、総括」でリンチして、上のほんとの侍、全部殺しちゃった。最後に土方と近藤ーあれ両方とも百姓だからなーが残って、そのときにはじめて、新撰組というものは内的に確立するわけだ。新撰組伝説は全部、内ゲバ神話だな(安部公房(他)『発想の周辺ー安部公房対談集ー』新潮社、1974年、p137)。


連合赤軍事件に直接に影響を与えたのは、直接的には司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』(1962-1964)でしょう。ジェンダー・コンシャスなマンガ家の高橋留美子は、「萌えよ剣」というパロディー・ゲームを作っています。