(前略)われわれカウンセリングに従事している者は、人間は「必然」にもとづいて行動するんだと錯覚しがちですが、逆にわれわれはいろいろな偶発的な事態というものをどう生かすかということを考えておくことが必要なんでしょうね。そしてその間でゆれる仕事ですね。しばしば偶発事に助けられて、ようやく仕事をしているというのが、まあ私の偽らざる実情です(中井久夫「家族の臨床」『「つながり」の精神病理』ちくま学芸文庫、2011年(初出1985年)、p84)。
*「現代の精神病院の生活には、ハプニングが少ない」そうです。