のび太としずかージェンダー平等に向けてー
(前略)また、彼女(しずかちゃんー熊田注)には同性の友人がいない。いささかオテンバであるわけだ。オテンバは、のび太みたいな「女の腐ったような男の子」と一緒にいて、お互いに得るところがあるらしい。そういう組み合わせが結構ある。のび太は単に同情されているだけではない。しかし、のび太のような子は、たまに成功した時「のび太さん、すてきだわ」といってくれるしずかちゃんのような子をいつも空想しているものだ(中井久夫「漫画「ドラえもん」について」『「つながり」の精神病理』ちくま学芸文庫、2011年(初出1987年)、p132)。
「企業戦士と銃後の妻」という昭和的な「覇権的男性性と誇張された女性性」の組み合わせに対する有力なオルタナティブなのでしょう。