発達障碍と私

 発達障碍は、基本的には遺伝的な脳疾患で、「発達障碍は発達し軽減する、しかし消失はしない」(神田橋條治)。私の場合、エリート技術者だった父にも、「自閉症スペクトラム」の傾向があったと思います。私も、幼稚園時代には、集団行動のできないいじめられっ子でした。小学校に入ると、勉強が飛び抜けてできたので、いじめられることもなくなり、味噌っ滓として「遊び仲間」に入れてもらえるようになりました。この時代に養った社会性のおかげで、どうにか、引っ込み思案なりに、社会人らしくなったと思います。
 佐世保女子高生殺人事件の加害者は、両親がエリートの教育家族の一人っ子だったようですが、幼い頃から各種の「習い事」に追われていたようです。生育歴のなかに、一見「無駄」に見える「集団遊び」の経験が欠落していたのではないでしょうか。子猫だって、親兄弟と十分に遊ばせてから引き取らないと、「噛み加減」のわからない成猫になってしまいます。