研究における独創力について

 研究者の業界は、「富める者はますます富み、貧しき者はますます貧しく」という、露骨な格差社会です露骨な格差社会です。研究における独創力とは、要するに「意外な二つのものを結びつける力」であり、それを産むためにはどうしても「ゆとり」が必要です。若くして定職を得た人は、心理的にも金銭的にも「ゆとり」ができて、ますます独創的研究を出していきます。反対に、何かの理由で研究者業界をはじかれた人は、文系の場合、他に何の使い途もないので、食うためには売文章を営むしかなく、売文業によってますます研究者業界から嫌われていきます。
 小保方晴子さんも、理化学研究所のユニットリーダーといえば聞こえはいいが、終身雇用ではなく、5年間の任期付き採用でした。「焦り」もあっただろうと思います。あまりにも露骨な業績主義は、結果的に「業界全体の生産力」をかえって枯渇させると思います。