偏った完全主義と肥大した自己愛

 不安やさまざまの苦悩を抱える人は、認識や行動にどのような特徴があり、世界とどう関わっているのだろうか。すでに述べたように、彼らの世界との関わり方には二通りあって、それは偏った完全主義(所有の病理)と自己中心性で自ら悩むこと(肥大した自己愛)である。これらはコインの表裏といってもいい不可分のものである。まず、我執ゆえに行き詰まる(北西憲二『我執の病理ー森田療法による「生きること」の探求ー』白楊社、2001年、p68)。